2021年2月17日、Googleが教育機関向けに提供しているグループウェア「G suite for Education」が「Google Workspace for Education」に名称を変更することを発表しました。
名前のほかにも料金体系が随時追加されるので、現場に適したサービスを導入するためにも教育機関のIT担当者は情報収集しておいて損はありません。その概要をまとめたのでぜひ参考にしてください。
Google Workspace for Educationとは
Google Workspace for Educationは、Googleが提供していた「G Suite for Education」の新しい名称です。
一般的なG Suiteの機能であるカレンダーやメール(Gmail)、ドライブなどに加えて教室管理ツール「Google Classroom」などを無料で提供。世界中の教育機関で利用されていました。
前述のとおり、今回の名称変更とサービス刷新による最大の変化は、料金体系とサービスが4つに区分されて新たに提供されることです。
教員用のサービス拡充、セキュリティ向上などそれぞれの区分に明確な役割があり、教育機関は目的に合わせて基本的なサービスである「Education Fundamentals」からグレードアップすることができるようになりました。
それぞれのサービスの特徴を以下でまとめたので確認してみましょう。
従来の機能を継承した「Google Workspace for Education Fundamentals」
前述のとおり、従来の「G suite for Education」の機能を継承したベーシックなサービスが「Google Workspace for Education Fundamentals」です。
G suiteから継続して無料で利用でき、一部のサービスは機能が拡張されています。
■無料で利用できる主要サービス
・Google Meet
・Gmail
・Google Classroom
・カレンダー
・ドライブ
・フォーム
・ドキュメント ほか
サービスの拡充のポイントとして最も大きいのは、「Google Classroom」に生徒の学習状況をまとめて把握できる「Student Engagement Tracking」という新機能が搭載される予定であることです。また、自宅にインターネット環境がない生徒でも利用できるモバイル用「オフライン機能」の追加もアナウンスされています。
さらにGoogle Meetもオンライン授業用に特化した機能の拡充が行われています。例えば、教員(モデレーター)による「参加者の個別退場」や「一斉ミュート」、ドメイン外からの参加リスクエスト承認などを追加することで、より円滑なオンライン授業の実施をサポートします。
またストレージポリシーが変更され、従来は無制限だったクラウドストレージの容量が「1ドメイン100TB」までになったことも要チェックです。
この変更により、管理者は100TB内で分配する必要が生まれました。また、後述する新サービスに加入することでアカウントごとに容量を増やすことができます。
セキュリティを強化する「Google Workspace for Education Standard」
「Google Workspace for Education Fundamentals」の機能に「セキュリティセンター」による管理や遠隔管理機能を加えたものが「Google Workspace for Education Standard」です。2021年4月から提供が開始される予定です。
ダッシュボードで外部とのファイル共有によるインサイトや、ユーザーごとに迷惑メール・不正ソフトのチェックが一目で分かるほか、ドライブやメールなどのソフトごとにセキュリティポリシーやチェックを設定できるようになります。
料金は1ユーザーあたり月額30円となります。
教職員の機能を拡張する「Google Workspace for Teaching and Learning Upgrade」
Google Meetの機能拡張など、主に教員向けサービスを強化するのが「Google Workspace for Teaching and Learning Upgrade」です(料金は1ユーザーあたり月額480円)。
生徒の提出物の盗用などをワンクリックで調査できるほか、引用チェック、プライバシー保護などの独自性レポート機能も無制限で利用可能になります。
加えてストレージの容量を1アカウントあたり100GB追加されます。
最上位のサービスプラン「Google Workspace for Education Plus」
「Google Workspace for Education Plus」は新しいサービス体型の最上位バージョンであり、「Google Workspace for Education Standard」や「Google Workspace for Education Teaching and Learning Upgrade」の機能に加えて24時間365日体制のサポートも受けられるようになります(1ユーザーあたり月額50円)。
生徒用の4アカウントに対し、教員用アカウントが無料で使えます。また、1アカウントあたり20GB、ストレージの容量が増加します。
環境に合わせた「Google Workspace for Education」の導入を
今回、紹介したサービスは一度ですべて実装されるのではなく、随時、機能追加・更新が行われる予定です。
またストレージの容量については、すでに100TB以上使っている教育機関に対してGoogleが対策を行うとしているなど、Google Workspace for Educationの動向には注目しておく必要がありそうです。
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