Googleの新しいストレージポリシーに備えよう!100TB制限に対するストレージ運用方法

公開日:2022/06/13
最終更新日:2023/10/05

2022年7月から、Google Workspace for Educationで新しいストレージポリシーが施行されることをご存知でしょうか?

今回のコラムでは、その新しいストレージポリシーが適用された後の影響や、組織のストレージ運用に役立つポリシーなどをご紹介していきます。

新しいストレージポリシーとは?

従来、学校や大学といった教育機関では、無制限でストレージが使用できました。

しかし、2022年7月に新しいストレージポリシーが適用されると、利用可能なストレージプールに上限が設けられるようになってしまいます。

使用できる保存容量はエディションごとに異なっており、無償のエディションである Google Workspace for Education Fundamentals の場合、組織全体で100TBのストレージ領域が用意されます。

エディション使用可能な保存容量
Education Fundamentals100TB
Education Standard100TB
Teaching and Learning Update100TB + (教職員ライセンス数 × 100GB)
Education Plus100TB + (ライセンス数× 20GB)

なお、アクティブユーザーが20,000人を超える場合、自動的に追加ストレージが無料で提供されます。

保存容量にカウントされるデータとは?

では、具体的にどのようなデータが存在していると、ストレージを使用しているとみなされてしまうのでしょうか。

以下の表は、保存容量としてカウントされてしまうデータのまとめになります。

Google ドライブ・ドライブ内のファイル(PDF、画像、動画、Meetの録画など)

・Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォームなどで
作成、編集したファイル
※2022年5月2日以降に作成、編集されたファイルが対象

・共有ドライブ内のコンテンツ
※1ファイルが複数のフォルダにある場合、保存容量にカウントされる
のは1回のみ
Gmail・メール

・添付ファイル

※[迷惑メール]フォルダや[ゴミ箱]フォルダのデータを含む
Google フォト・元の画質、高画質、エクスプレス画質の写真と動画

※2021年6月1日以前に、高画質、エクスプレス画質でバックアップ
された写真と動画を除く

※参考:ドライブ ストレージに関するよくある質問(管理者向け)
https://support.google.com/a/answer/9214707?hl=ja&ref_topic=1727149

ストレージ使用量を確認する

現在、組織内でどれくらいの保存領域が使用されているのかは、Google管理コンソールから簡単に確認することが可能です。

◆操作手順◆

(1)特権管理者アカウントで、Google管理コンソールにログインします。
https://admin.google.com/

(2)左側のメニューから、[ストレージ]をクリックします。

(3)ストレージの管理画面が表示されます。
以下、ストレージの総使用量などの確認が可能です。

・組織全体のストレージ総使用量
・使用データの内訳(ドライブ、Gmail、フォト)
・ストレージ使用量の多いユーザーリスト
・ストレージ使用量の多い共有ドライブリスト

限られたストレージの空き容量を増やすには?

組織で利用可能なストレージを拡張するには、Teaching and Learning Update や Education Plus といった有償エディションに変更するか、アクティブユーザー数を2万人以上に増やすといった方法が挙げられます。

しかし、これらが難しい場合は、100TBという限られたストレージ内でやりくりしていかなければなりません。
すでに組織全体のストレージ使用量が上限に近い環境では、これまでの運用を見直すことが必要になってきます。

ここでは、ストレージの空き容量増加につながる手段をいくつかご紹介します。

1.不要なアカウントを削除する

Google Workspace上にユーザーアカウントがある限り、そのユーザーが所有しているファイルは保存容量にカウントされてしまいます。
卒業生や停止中のアカウントなど、不要なアカウントを適宜削除することで空き容量を増やすことが出来ます。

2.各ユーザーにストレージの利用上限を設定する

管理者は、ユーザーの利用可能な保存容量を制限することが出来ます。
この設定をすることで、ユーザーは自分に割り当てられたサイズの保存領域しか使用できなくなり、ユーザーによる不要なファイルの削除を促す効果が期待できます。
こちらの設定方法は、本コラムの「各ユーザーのストレージ使用量を制限する」にて別途ご紹介しています。

※参考:3. 教育機関の空き容量を増やす、または保存容量を追加するhttps://support.google.com/a/answer/12032893?hl=ja&ref_topic=10431464

各ユーザーのストレージ使用量を制限する

組織全体のストレージが100TBに制限されるにあたり、1ユーザーがストレージを大量に消費するようなことは避けなければなりません。
そこで有効なのが、ユーザーの利用可能な保存領域に上限を設けるポリシーです。

◆操作手順◆

(1)特権管理者アカウントで、Google管理コンソールにログインします。
https://admin.google.com/

(2)左側のメニューから、[ストレージ]をクリックします。

(3)ストレージの管理画面が表示されます。
ストレージの設定の[管理]をクリックします。

(4)「組織部門」か「グループ」に対し、ストレージの利用上限設定を行います。

i)組織部門に対し設定する場合

組織部門一覧から、ストレージの利用制限をかける組織を選択し、保存容量の上限値を設定します。

ⅱ)グループに対し設定する場合

[グループを検索]から設定するグループを検索して追加し、保存容量の上限を設定します。
複数グループに所属するユーザーに対して、どのグループの設定を優先させるかどうかを指定することも可能です。

※グループと組織の両方でストレージ利用制限の設定をしている場合、グループの設定が優先されます。

(5)以上でストレージ利用制限の設定は完了です。
ユーザーの[Googleドライブ] > [保存容量]が指定の上限値に変更されます。

※Googleドライブの[保存容量]の画面では、空き容量が少なくなると以下のように警告が表示されます

保存容量の上限を超えた場合の影響

ユーザーもしくは組織全体のストレージ使用量が上限を超えてしまうと、いくつかの機能が制限されてしまいます。

ストレージ使用量が上限の25%を超えるか、超過した状態が14日間継続した場合のいずれかを満たした時点で、ユーザーは以下の操作が行えなくなります。

できることできなくなること
・Google Workspace for Education アカウントへのログインおよびアクセス

・ファイル閲覧とダウンロード

・メールの送受信
・Googleドライブへのファイルのアップロード

・コンテンツ共同作成アプリ(Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム など)のファイルの新規作成、編集、コピー、送信

・Googleフォトへの写真や動画の保存

・Google Meetでの新しい会議の録画

ユーザーに設定したストレージ上限値を超えた場合は、影響を受けるのは超過したユーザーのみですが、組織全体のストレージ上限を超えてしまうと、すべてのユーザーに影響が出てしまう点に注意しなければなりません。

※参考:[4. 保存容量の上限を設定する] > [ユーザーが保存容量の上限を超えた場合]
https://support.google.com/a/answer/12033430?hl=ja&ref_topic=10431464

まとめ

利用可能なストレージが100TBに制限されるまで、もう間もなくです。

この機会にぜひ、組織全体でどの程度ストレージを使用しているのか確認してみてはいかがでしょうか。

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