前回のコラムでは、教員生徒がGoogle ドライブで課題ファイルのやり取りをする場合の一例をご紹介しました。
今回は、Google Classroomを使って課題ファイルを共有する方法について解説していきます。
Google Classroomを課題提出用フォルダとして運用するには?
「Google Classroom」とは、Googleが提供している授業支援ツールです。
これ一つで課題の提出や採点などが、インターネット経由で行えるようになります。
※Google Classroomの詳細については、こちらを参照ください。
https://www.mitani-edu.jp/column/025/
教師がGoogle Classroomで生徒に課題を配布するとき、以下の方法から一つ選択して課題ファイルを添付します。
方法 | 特徴 |
生徒がファイルを閲覧できる | ・生徒はファイルの閲覧が可能 ・ただし編集はできない |
生徒がファイルを編集できる | ・生徒が複数人で1つのファイルを編集可能 |
各生徒にコピーを作成 | ・ファイルをコピーして各生徒に配付する ・生徒一人一人が自分専用のファイルを編集する |
※参考URL:https://support.google.com/edu/classroom/answer/6020260?hl=ja
これらの特徴を踏まえて、Google Classroomで、
・教員は生徒のファイルを読み書きできる
・生徒は他の生徒のファイルを見ることはできない
といった運用を行うには、課題ファイルを「各生徒にコピーを作成」で配布する必要があります。
本コラムでは一例として、
・クラスのすべての生徒対象に課題を出す
・課題は「各生徒にコピーを作成」として配布
・課題としてOfficeファイルを使用
した場合の挙動をご紹介していきたいと思います。
事前準備:課題の配布
事前に以下の手順のように、Google Classroomで課題の配布をします。
1)教員アカウントでGoogle Classroomにアクセスします。
https://classroom.google.com/
2)クラスの画面に移動し、[授業]⇒[作成]⇒[課題]をクリックします。
3)[課題]の作成画面に移動します。
以下の設定をして、[割り当て]をクリックします。
①タイトル:課題のタイトルを入力します。
②対象:課題を配布する対象の生徒を指定します。
ここでは、例としてクラスのすべての生徒とします。
③添付:配布する課題ファイルを添付します。
ここでは、課題としてPowerPointをアップロードします。
④課題ファイルを添付すると、その課題の配付方法が指定できます。
「各生徒にコピーを作成」を選択します。
4)指定のタイトル名で課題が作成されます。
生徒の画面
◆ファイルの表示について◆
前述の手順のように「各生徒にコピーを作成」で課題を配布すると、元のファイル名に各生徒の名前が追加された形で課題が配布されます。
生徒のGoogle Classroomの画面には自分専用のファイルしか表示されないため、その他の生徒の課題を閲覧することは出来ません。
また、Google Classroomのデータが保管されている「クラスのドライブフォルダ」にも、自分のファイルしか表示されません。
◆ファイルの追加、編集◆
教師が課題を配布後、生徒は[あなたの課題]からファイルの追加や編集が行えます。
ただし、課題を提出してしまうと、ファイルの追加や編集が出来なくなります。
※提出の取り消しをすれば、再度ファイルの追加等が行えるようになります。
※課題がOfficeファイルでも、Googleアプリで開いて編集することが可能ですが、GoogleアプリではなくOfficeで編集したい場合は、一度ローカルに課題ファイルをダウンロードしてからOfficeで修正するなどしましょう。
※課題のダウンロードは、プレビュー画面の[︙]⇒[新しいウィンドウで開く]⇒新しいウィンドウ画面の[︙]⇒[ダウンロード]から行えます。
◆ファイルの削除◆
課題を教師に提出した後はファイルのオーナー権限が教師になるため、もしも生徒がクラスのドライブフォルダからファイルを削除したとしても、共同編集者である教師は引き続きアクセスが可能です。
しかし、課題を返却するとオーナー権限が生徒に移り変わるため、この時に生徒がファイルを削除してしまうと、教員もファイルにアクセスできなくなってしまいます。
教員の画面
◆ファイルの表示について◆
教員はClassroomの画面やクラスのドライブフォルダから、課題を配布した全ての生徒のファイルを確認することが出来ます。
◆ファイルの追加、編集◆
課題を編集して新たな課題ファイルを追加で添付したり、配布済みの課題ファイルの編集が行えます。
◆ファイルの削除◆
生徒と同様に、課題の提出・返却状況により課題ファイルのオーナー権限が移り変わります。
教員自身がオーナー権限のファイルを削除すると、生徒の画面からも消すことができますが、生徒がオーナーになっているファイルの場合は完全に削除されず、共同編集者の生徒は引き続きアクセスすることが可能です。
注意点
前回のコラムでもご紹介した通り、Google ドライブで同名のファイルをアップロードしようとすると、「アップロードオプション」が発生し、ファイルを上書きするかリネームして2つのファイルを保持するかを選ぶことが出来ました。
しかし、Google Classroomで同名のファイルを添付した場合、「アップロードオプション」のようなものは存在せず、クラスのドライブフォルダに同名のファイルがそのまま保存されてしまいます。
これはつまり、クラスのドライブフォルダに、同名ファイルが散乱してしまう可能性があるということです。
もしもファイルが散乱してどれが最新版か分からなくなってしまった時は、最終更新日を確認するなどして探してみましょう。
まとめ
最後に、Google Classroomにおける教員・生徒の挙動の違いをまとめました。
教員 (権限:管理者) | 生徒 (権限:投稿者) | |
ファイルの作成、編集 | ○ | △ ※課題提出後は不可 |
ファイルの完全削除 | ○ ※オーナーの場合 | ○ ※オーナーの場合 |
他の生徒のファイルが閲覧できるか | ○ | × |
※教員が課題(Officeファイル)を「各生徒にコピーを作成」で配布した場合を想定
Google Classroomでは、課題の提出後や返却後で課題ファイルのオーナー権限が移り変わるため、生徒もファイルを削除できてしまう期間が発生します。
もし生徒にファイルを削除されてしまっても問題ないように、返却前に課題ファイルをダウンロードしてバックアップをとっておくような運用を推奨します。
Google ドライブとGoogle Classroomを使った課題提出用の共有フォルダの運用について、2回に分けて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
それぞれの特徴から、ファイルを上書きされたくなければ「Google Classroom」を、ファイルを散乱させたくなければ「Google ドライブ」をと、要件に応じて使い分けてみるのもおすすめです。
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