近年、教育現場ではプログラミング教育が必修化されたりと、児童生徒がプログラミングに触れる機会が増えてきています。
今回のコラムでは、学校で利用できるプログラミング教材をお探しの方に向けて、Googleのプログラミング教育カリキュラム「CS First」をご紹介していきます。
CS Firstとは
はじめに、プログラミング言語をおおまかに分類すると、「テキスト型」と「ビジュアル型」の2つに分けられます。
テキスト型は、その名の通り文字や記号などで実行したい処理を記述することでプログラミングを行います。
もう一方のビジュアル型は、指示内容が書かれたブロックなどを組み合わせることで、プログラムを作成していきます。
プログラミングに不慣れな児童にとっては、視覚的・感覚的に学習できるビジュアル型プログラミング言語の方が親しみやすいといえるでしょう。
そして、今回取り上げる「CS First」は、Googleが無償で提供しているプログラミング教育カリキュラムであり、ビジュアル型プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」の特別バージョンである「Scratch for CS First」を通してプログラミングが段階的に学べる仕組みになっています。
※Scratchとの違いについては、下記のURLを参照ください。
https://support.google.com/csfirst/answer/10191963?hl=ja
現在、CS Firstでは日本語向けに2つのコースが用意されており、インターネットに接続されたパソコンを使ってCS Firstのサイトにアクセスするだけで、誰でもログイン不要でカリキュラムを体験できます。
コース名 | 主な対象者 |
Scratch for CS Firstでプログラミングをはじめよう | 小学3年生以上のScratch未経験者 |
私たちのまちのよさをプログラミングで広めよう | 小学5年生以上のScratch経験者 または上記コースの修了者 |
※カリキュラムについては、下記のURLを参照ください。
https://csfirst.withgoogle.com/c/cs-first/ja/curriculum.html
CS FirstにGoogleアカウントでログインすると
CS Firstはサイトにアクセスするだけで誰でも気軽に始められますが、Google Workspace for Educationで作成したGoogleアカウントでログインすれば、教師が児童生徒のカリキュラムの進捗状況が確認できるようになります。
CS First上でカリキュラムの進捗を確認するには、教師がCS Firstでクラスを作成し、その作成されたクラスに生徒が参加する必要があります。
それでは、実際の画面を交えつつ、CS Firstで教員が児童生徒の進捗状況を閲覧できるようにするまでの流れを、順を追って見ていきましょう。
1.Google Classroomと連携する(教師)
まずはCS Firstに教師アカウントでログインしていきます。
CS Firstでクラスを作成するには、
・CS First上で手動で作成する
・Google Classroomと連携して、クラスをインポートする
の2つのパターンがあります。
CS FirstとGoogle Classroomを組み合わせることで、Classroomで課題の作成や採点、収集が可能となるため、ここでは例として、Google Classroomと連携する方法を使ってクラスを作成していきたいと思います。
※Google ClassroomとCS Firstの使用目的については、下記のURLを参照ください。
https://support.google.com/csfirst/answer/10098580?hl=ja
1)CS Firstのログインページで[私は教師です]をクリックし、教員用のGoogleアカウントでログインします。
https://csfirst.withgoogle.com/login
2)初回ログイン時は、いくつかの質問に回答する必要があります。
「Google Classroomを使用しているますか?」については、[はい]を選択します。
3)[Classroomに接続]をクリックします。
4)以下の画面が表示されたら[許可]をクリックし、Google Classroomのデータにアクセスできるようにします。
5)CS Firstログイン後は[プロフィール]をクリックし、Google Classroomと連携できているか確認しましょう。
もし初回ログイン時にClassroomと連携設定していない場合は、この画面から再設定することが可能です。
2.クラスを作成する(教師)
Google Classroomを連携できたら、CS Firstでクラスを作成してみましょう。
1)(+)ボタン ⇒ [クラスを作成]をクリックします。
2)連携設定により、Google Classroom管理下のクラスが表示されます。
インポートするクラスを選択して、[インポート]をクリックします。
3)指定したGoogle Classroomのクラスが、CS Firstにインポートされます。
3.クラスに参加する(生徒)
CS Firstでクラスの用意ができたら、児童生徒にクラスに参加してもらうように案内しましょう。
1)生徒がCS Firstを利用する際は、ログイン画面で「私は受講生です」を選択し、Googleカウントでログインします。
https://csfirst.withgoogle.com/login
2)インポートしたGoogle Classroomのクラスのメンバーの場合、CS Firstにログインするとクラスへの招待メッセージが表示されます。
[クラスに参加]をクリックすると、生徒はクラスに参加できます。
※万が一、生徒が招待を辞退した場合でも、教師はクラスに再招待することが可能です。
4.クラスに課題を追加する(教師)
クラス作成直後は、クラスに課題が割り当てられていません。
生徒に配布する課題をカリキュラムから選択して追加しましょう。
1)課題を追加するクラスの[ユニットを追加]をクリックします。
2)カリキュラムのページが表示されます。
事前に用意されている教材の中から、配布する課題を[クラスに追加]で追加します。
3)[Google Classroomの課題を作成]から、追加したユニットをClassroomの課題として設定することが可能です。
必要事項を設定したら、[割り当て]をクリックしてください。
5.課題の進捗をチェックする(教師)
CS Firstでクラスの準備が整ったら、生徒に課題に取り組んでもらいます。
適宜CS Firstで進捗状況を確認し、課題が完了した生徒はGoogle Classroomで採点してあげましょう。
1)CS Firstでクラスの個別ページにアクセスします。
2)[ユニット]ページでは、割り当てた課題の完了率などを確認することができます。
3)[人]ページでは、実際に生徒が作成したプロジェクトを閲覧することができます。
4)CS Firstで課題の進捗率を確認し、前述の手順で作成したGoogle Classroomの課題ページから採点が可能です。
注意点
CS FirstにGoogleアカウントを使ってログインするには、Google管理コンソールで「CS First」のサービスステータスを有効にする必要があります。
事前に以下の手順を参考に、設定を変更しておきましょう。
1)Google管理コンソールに管理者アカウントでログインします。
2)左側メニューから、[アプリ]⇒[その他のGoogleサービス]をクリックします。
3)[CS First]をクリックします。
4)[サービスのステータス]をクリックします。
5)左側からCS Firstを利用する組織を選択し、サービスのステータスを「オン」に変更して設定を保存してください。
サービスのステータスを「オン」に変更していない場合、CS FirstにGoogleアカウントでログインしようとしても、「xx@xxx.ed.jp を使ってログインできない」といったエラーが表示されてしまいます。
まとめ
CS Firstは、その他のGoogleサービスと連携できることから、Google Workspace for Educationをご利用中の環境で特におすすめのプログラミング教材です。
利用自体は無料ですので、授業に有用なプログラミング教材をお探しの方はこの機会に触ってみてはいかがでしょうか。
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