離れた場所で利用中のChromebookで障害が発生した時、実際のChromebookの画面が見られず、なかなか問題解決に至らなかった経験はありませんか?
今回のコラムでは、Google Workspace管理者の方向けにChromebookのトラブルシューティングで役立つ「Chrome リモート デスクトップ」をご紹介していきます。
Chrome リモート デスクトップ とは?
Google管理コンソールを使うことで、管理下のChromebookに対し、様々な制限をかけたり、遠隔で初期化するといった操作※1 が行えます。
今回取り上げる「Chrome リモート デスクトップ」は、同じくGoogle管理コンソールで利用可能な機能の一つで、これを使うことにより管理者は組織のChromebookに遠隔でアクセスできるようになります。
つまり、この機能を使えば、Google Workspace管理者が学校、Chromebook利用者が自宅といった離れた場所にいるような環境でも、管理者が利用者のChromebook画面を見ながらのサポートが容易に行えるようになるということです。
※1
これらの操作をするには、Chrome Education Upgrade(CEU)が必要です。
CEUについては、下記のURLを参照ください。
https://www.mitani-edu.jp/column/029/
利用要件
Chrome リモート デスクトップを利用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。
管理者側 (リモートする側) | ・Chromeリモートデスクトップのサービスが有効であること ・最低限、[リモート デスクトップの開始] 権限をもったアカウント であること |
利用者側 (リモートされる側) | ・Chromebookがオンラインであること ・OSが以下のバージョン以降であること ChromeOS ver.96 以降 ※キオスクデバイスの場合、ver.78以降 |
※要件の詳細は下記のURLを参照ください。
https://support.google.com/chrome/a/answer/9547497?hl=ja
Chromebookにリモート接続してみよう
それでは、利用者がChromebookにGoogleアカウントでログインしている最中に問題が発生した場合を例に、管理者が対象端末にリモート接続するまでの流れを見ていきましょう。
01)Google管理コンソールに特権管理者などの管理者アカウントでログインします。
02)左側メニューから、[デバイス] ⇒ [Chrome] ⇒ [デバイス]にアクセスします。
03)リモート接続したいChromebookのシリアル番号をクリックします。
04)[リモート デスクトップ]をクリックします。
05)以下のメッセージが表示された場合は、[このまま接続]をクリックします。
※現時点でマウス等の操作をしている、もしくは5分以内に操作をしたChromebookに対し、リモートデスクトップを実施した場合に表示されます。
06)画面下部の[開く]をクリックします。
07)Chromebook側でリモート接続を許可するか否かのメッセージが表示されます。
管理者が接続しても問題ない場合は、利用者は[共有]をクリックします。
08)利用者が接続を許可すると、管理者側にChromebookの画面が表示されます。
管理者は自身のキーボードやマウスで、Chromebookの遠隔操作が可能です。
※リモート接続後もChromebookの画面は表示されたままのため、利用者は管理者がどのような操作をしているのか、Chromebookの画面から確認可能です。
※管理者がリモート接続中でも、利用者はChromebookを操作できます。
FAQ
【質問】
管理コンソールで[リモート デスクトップ]が表示されず、リモート接続できません。
【回答】
管理コンソールからChromebookにリモート接続するには、最低限「リモート デスクトップの開始」権限のある管理者アカウントを利用する必要があります。
管理コンソールへのログインに使用した管理者アカウントに対し、「リモート デスクトップの開始」権限を付与してあげましょう。
権限の設定変更は、管理コンソールの[アカウント] ⇒ [管理者ロール]から行えます。
※必要に応じて、リモート接続用のカスタムロールを新しく作成するなどしてください。
【質問】
管理コンソールで[リモート デスクトップ]をクリック後に、「Chrome Remote Desktop へのアクセス権がありません。」と表示されてしまい、Chromebookに接続できません。
【回答】
リモート接続に使用した管理者アカウントで、Chrome リモート デスクトップのサービスが無効になっていると、このようなメッセージが表示されます。
管理者アカウントの所属組織で、Chrome リモート デスクトップのサービスが有効になるように設定を変更しましょう。
Chrome リモート デスクトップの設定は、管理コンソールの[アプリ] ⇒ [その他のGoogleサービス] ⇒ [Chrome リモート デスクトップ] ⇒ [サービスのステータス]から変更が可能です。
まとめ
以上、Chrome リモート デスクトップについて、ご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
Chrome リモート デスクトップを上手に使えば、ユーザーの遠隔サポートが簡単に行えるようになります。
また、実際に利用者の場所まで行く手間が省けますので、管理者の負担軽減も期待できます。
現在、Google Workspaceの運用管理を任されている担当者の方々は、この機会にChrome リモート デスクトップを試されてみてはいかがでしょうか。
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